住まいのコラム 一覧 COLUMN

失敗しない家づくりの知恵

失敗しない家づくりの知恵

①収納について
収納についての不満が多い現在の家の「収納」への満足度を尋ねたところ、満足していない人が62.4%と多数を占めました。子どもの成長と共に、次々と新しいものが必要となる子育て世帯にとっては、やはり収納スペースが足りないと感じている人が多いようです。比較的頻繁に使うものも近いところにスッキリ収納できるように各階や特にキッチンなどの収納を考えたほうがいいでしょう。一般的に戸建て住宅の場合、面積の収納率が13%程度が必要な収納スペースと言われています。

収納場所が少ないと感じる場所はどこですか?
1位 キッチン…(44.9%)
2位 玄関…(43.1%)
3位  クローゼット・押し入れ…(42.5%)
4位 リビング…(39.7%)
5位 洗面所…(29.5%)
6位 寝室…(28.3%)
7位 子ども部屋…(25.2%)
8位 トイレ…(20.6%)
9位 パントリー…(16.3%)
10位 庭・ベランダ…(15.1%)
11位 その他…(1.2%)
12位  特にない…(6.8%)

やはり早い段階から十分な収納がある設計がなされた家を購入する事が重要です。

②換気・風通しや日当たりなどの問題
•換気したくても大きな窓は防犯や外からの視線なのどの問題から開けておきにくい。換気を考えて窓の位置を考えるべきだった。
•近年気密性の高い家も増えて言うていますが、湿気がこもったり有害物質(VOC)等が溜まるほか、カビなどが発生など換気による対応が必要
•西日が差し込む方角に大きな窓があるため、夕方は眩しく、夏は暑い
•天窓や大きめの窓を付けたので、暑さや日焼けで家具等がいたむのと窓ぎわが冬はとても寒く空調が効きにくく、結露も発生しペアもしくはトリプルガラスにするべきだった
•リビングの間取りで、窓とテレビの位置関係が悪く、光が反射してテレビ画面が見にくいが変更が難しい

③吹き抜けのメリットとデメリット
メリット1
明るく、風通しがいい。吹き抜けを造ると、天窓や2階部分の高い位置に設置された窓から自然光を取り込めるため、室内が明るくなります。なお、吹き抜けは2階建て以上の住宅でなければ造れないイメージがあるかもしれませんが、平屋に造ることも可能です。平屋の場合は特に、住宅が密集していると採光が十分に取れないケースがありますが、吹き抜けを造ると採光が良くなります。また、吹き抜けを造ると暖かい空気が下から上へ流れるため、空気の流れが良くなるメリットもあります。窓は空気の循環を考慮して、どの位置に設けるかを考えておきましょう。

メリット2
家族のコミュニケーションがとりやすい。
吹き抜けを造ると、1階と2階の空間が完全に分断されません。リビングを吹き抜けにすれば1階と2階でも会話がしやすくなるため、家族のコミュニケーションも取りやすくなります。子どもが成長して自室で過ごす時間が増えても、生活音や声が聞こえることで、子どもは家族が一緒にいることを実感したり安心感を得られたりします。リビング階段を組み合わせれば、自然と家族が顔を合わせる回数が増えて、よりコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。

メリット3
室内が広く見え、開放感がある。
家族が集まるリビングは、リラックスできる居心地の良い空間にしたいもの。吹き抜けを造ると1階と2階の空間が一体化し、天井まで抜け感が生まれます。天井が高いことで圧迫感がなくなり、実際の間取りよりも広く感じられる点もメリットです。平屋の場合も、縦に空間を広げることで、リビングが開放感のある広々とした印象になります。

デメリット1
*冷暖房が効きにくい
冷暖房が効きにくくなり、電気料金がかさむようになる。
吹き抜けを造ると冷暖房が効きにくくなり、暑い・寒いなど快適な室内温度を保つことが難しくなるケースも多く発生します。夏は直射日光が差し込み室内の温度が上昇しやすくなりますし、冬は暖かい空気が上昇しやすいため、リビングが暖まりにくくなるからです。

デメリット2
*音の問題や、匂いの問題
音が聞こえやすいことで、後悔するケースがあります。例えば、「遅い時間まで1階リビングでテレビを見ていたり会話をしていたりすると、2階まで音が聞こえてなかなか寝付けない」「2階の子ども部屋で子どもたちが遊んでいる声や音が1階リビングに伝わり気になる」などです。また、料理などの匂いが2階まで漂うため、2階の壁紙や布製品に匂いがつくこともあります。

デメリット3
*掃除やメンテナンスの問題
吹き抜けは天井や壁が高くなるうえに、窓や照明も高い位置に設置するケースが多いため、掃除や電球交換が気軽にできずに後悔する方もいます。天井や照明が通常の高さであれば、ちょっとした踏み台やはしごで対応できるものの、2階の高さを掃除するとなると簡単ではありません。高さのあるはしごを使ったり足場を組んだりすれば自力でも掃除や電球交換は可能ですが、転落など万が一のことを考えると危険です。そのため、掃除やメンテナンスの点で大変と感じる方がいます。

デメリット4
*子供の落下などの危険性
子どもが転落してしまう危険性もあるため、開放感や雰囲気よりも転落防止対策が重要です。例えば、リビング階段の手すりや2階の柵の隙間から転落しないように柵の幅を狭くする、強化ガラスで腰壁を造るなどしておくと転落防止になります。転落というと2階の柵を気にしてしまいがちですが、階段の手すりの幅が広いと子どもが顔を出して遊ぶこともあるため注意が必要です。

③生活の導線について
家事動線は人によって正解が違ってくるので、まずはあなたがどのように家事をするのが楽か家事動線で失敗しない間取りか確認が重要です。そして、その間取りの中であなたがどのように動くことになるかをシミュレーションしてみる必要があります。
*洗濯機と物干し場の距離が遠い
*キッチン収納が十分でなくパントリー代わりの収納スペースも遠くなってしまった。
*帰宅後手を洗い服を変えるまで家族との接触しない導線となっているか。
*脱衣スペースと洗面が分かれているか。

コンセントの位置や数を考えておいたほうがいい
コンセントで失敗してしまう原因として、その間取りの中での生活イメージがしっかりできていないことが大きな要因です。例えば、家具をどこに置くか、掃除をする時にコンセントは問題ないか、扇風機など家電を使う時に近くにコンセントはあるか、スマホなどを充電するのは大丈夫かなど、実際に生活する時にどこにコンセントが欲しいかを考えてみると、コンセントの失敗は少なくなります。また、コンセントと同じように多いのがスイッチの失敗。部屋に入ったらスイッチが遠くてなかなか電気が付けられなかったり、欲しい場所にスイッチが無いなんて失敗はよくあります。こちらもコンセントの失敗と同じように、その間取りでの生活のシミュレーションができていない事が原因なので、夜に家の中を移動する時に不便が無いかどうかシミュレーションしてみるとスイッチの失敗を減らす事ができます。
*考えてコンセントの配置を決めたつもりだったけども、コンセントが足りない場所やほとんど使わないコンセントがある。
*家具を置いたらコンセントが使えなくなってしまった。
*欲しい場所にコンセントが無くて困る。
*コンセントを多めにつけたつもりだったけども、コンセントが足りずにタコ足配線になってしまったところもある。
*キッチンについては料理や配膳の動線にばかり注目しがちですが、玄関からの距離が遠いと不満を感じやすいです。玄関からキッチンまで運ぶのは大変な作業。必然的に冷蔵庫も遠くなってしまいますので、購入頻度の高い生鮮食品を毎回しまうのも面倒です
*学校や仕事へ向かう前の朝の身支度はどうしても混雑するもの。中でも洗顔や歯みがき、髪のセットなどやることが多い洗面所は混雑しやすく、住み始めてから不満を感じやすいポイント。
*お風呂やトイレの出入り口が玄関から見える

直線の廊下に玄関があるようなレイアウトだと、洗面所やトイレの出入りが玄関を開けた時に見えてしまう事も。玄関で家族が来客に対応している状況だと、恥ずかしくて出られないことも少なくありません。特に来客が多いご家庭の場合は、玄関からの視線についても配慮した方がいいでしょう。

動画でわかるMISAWA